「バービー」(ネタバレあり)

いろいろな方向で話題になっているバービーを観てきた。

youtu.be

予告の印象と違い、人間界でドタバタを繰り広げるというよりも(繰り広げはするのだが)、バービーランドでないがしろにされていたケン(現実の女性の立場に置かれている)が、現実の男性優位の社会をバービーランドに持ち込んで、ドタバタするという展開だった。

 

このとき、ケンに支配されたバービーランドを脱するために、バービーサイドがしかけた作戦の結果が面白かった。バービーたちはケン同士で争うよう仕向け、実際にケン同士の戦争(の真似ごと)が生じる。しかし、ケンたちはその「おままごと」に興じているうちに、争いがケンたち全員がノリノリのダンスに転換してしまうのである。これは、男性社会では、男性同士競争していることによって、男性以外を排除している社会であるという風刺のようである。

 

ただ、気になったところもある。コメディなので、ある程度勢いで脚本が成立するのはわかるのだが、母娘の和解や、母のバービーへの演説が唐突に感じた。重要なシーンなので、もう少し丁寧にやってもよかったのではないかと思う。

 

気になるところはありつつも、いろいろな映画のオマージュやパロディも散りばめられており、総じて楽しい映画体験だった。