「ARGYLLE/アーガイル」※ネタバレあり

マシュ―・ヴォーン監督の最新作「ARGYLLE/アーガイル」を観てきた。 youtu.be マシュ―でヴォーンな映画であった。80年代90年代スパイ映画感、スタイリッシュな銃撃シーンは、キングスマン以降お約束という感じである。 ただ、キングスマン(1作目)…

「落下の解剖学」※ネタバレあり

「落下の解剖学」を観てきた。なんとなく前回のパルムドール作品である「黄金のトライアングル」のようなカオスを期待していたが、割と手堅いつくりの映画だと思った。 youtu.be 基本的なストーリーラインとしては、夫が転落死したことで、その妻サンドラに…

「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」

森美で開催されている「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」を観てきた。 www.mori.art.museum エルメスで行われた関連企画のときも思ったが、環境なんてガン無視している感じがする森ビル内での展示である。ちなみに、エルメスギャラリーで…

「哀れなるものたち」※ネタバレあり

金獅子賞をはじめ数々の映画賞を獲得している「哀れなるものたち」を観たきた。 youtu.be カテゴリーがコメディに区分されることもあったので油断していたのだが、ヨルゴス・ランティモス監督作品である。当然ながらそれなりにどぎついシーンがたびたび挿入…

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」※ネタバレあり

ガンダムSEEDの劇場版最新作を観てきた。はじめてリアタイで観たガンダムがSEEDで、そのあとのDESTINYもリアタイで観ていた世代としては、もう待つことすら忘れていた劇場版である。 youtu.be 観た感想としては、ダメなところもSEEDっぽいなというところであ…

2024年上半期は何をするか

すでに1月も終了したが、24年の方向性が定まった。ひとまず上半期の大きな目標は2つ。 1.国際学会での報告 今年は何か新しいスポーツとか、楽器とか始めようかな~、ぐらいのゆるい感じだったのだが、研究所内で「6月のある国際学会で報告せよ」という…

「アニッシュ・カプーア_奪われた自由への眼差し_監視社会の未来」

GYREで開催されているアニシュ・カプーアの個展に行ってきた。 gyre-omotesando.com 展示は絵画とともに立体作品があるのだが、マグマにも臓器にも見えるなかなか迫力のある展示となっている。一方で、会場の文章は「制御されない何か」がいかにもな言葉で説…

「PERFECT DAYS」※ネタバレあり

ヴィム・ヴェンダースの「PERFECT DAYS」を観てきた。 youtu.be 事前に「ほぼ何も起きずに日常が繰り返され~」というようなレビューを読んでいたのだが、実感としては派手なことは起きないが、割とずっと何か起きている映画だった。職場の後輩に連れ出され…

「ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展」

銀座メゾンエルメスのフォーラムで開催されている「ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展」に行ってきた。 https://www.hermes.com/jp/ja/content/maison-ginza/forum/231014/ 会場内は鳥のさえずりなどの環境音が流れており、DMZでの森林復元のプロジェクト…

「VORTEX」※ネタバレあり

年が明けてから2週間が経ってしまったが、年末に観たギャスパー・ノエの「VORTEX」を。 youtu.be 心臓を患う夫と、認知症の妻、それに薬物中毒の息子という家族の話である。フランソワーズ・ルブランの認知症の演技が非常にリアルで、息子と父親の会話もリ…

「ナポレオン」

リドリー・スコット監督の「ナポレオン」を観てきた。 youtu.be フランス革命でマリー・アントワネットが処刑されるところからはじまり、ナポレオン死去までを描く。戦闘シーンはどれも壮大で、音楽もとてもよかった。一方で、ナポレオンをホアキン・フェニ…

さいたま国際芸術祭2023

さいたま国際芸術祭に行ってきた。 artsaitama.jp 今回は、メイン会場の旧市民会館おおみやと、別日に会期がより短かったノースギャラリーで実施された「Women’s Lives 女たちは生きている―病い、老い、死、そして再生」に行った。 artsaitama.jp 芸術祭全体…

「私がやりました」※ネタバレあり

フランソワ・オゾン監督の「私がやりました」を観てきた。 youtu.be コメディタッチでストーリーは軽快に進むが、結局何をしたかったのかと考えると難しい映画である(ちなみに別にコメディとして笑えるわけではない)。 なぜ難しいかといえば、ストーリー的…

「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」※ネタバレあり

スコセッシ監督最新作の「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」を観てきた。 youtu.be 約3時間半と長丁場で、エンタメ要素はほぼないものの、レオナルド・ディカプリオ、リリー・グラッドストーン、ロバート・デ・ニーロそれぞれの演技は流石であり、緊張…

「伊東豊雄の挑戦 1971-1986」

芝浦工業大学でやっていた「伊藤豊雄の挑戦」に行ってきた(会期は終了している)。今後は、カナダのCCA(Canadian Centre for Architecture)にまとめて収蔵されるため、伊藤豊雄関連作品が日本で一同で観れる最後の機会となった。 www.shibaura-it.ac.jp …

「ゴジラ-1.0」※ネタバレあり

シン・ゴジラ以来7年ぶりのゴジラの新作をみてきた。 youtu.be VFXで表現されたゴジラのできはよく、特に海上での戦闘シーンは迫力がある。一方で、ストーリーは気になるところが多い。現代でなく戦後すぐに設定したこと自体は面白いと思ったが、現代人向け…

永遠の都ローマ展

東京都美術館で開催されている永遠の都ローマ展に行ってきた。 roma2023-24.jp 入口では、思っていたよりも大きかったカピトリーノの牝狼がお出迎え。立体物が多く、存在感が強い展示が多いが、惜しむらくはレプリカが多い(カピトリーノの牝狼もコンスタン…

「ザ・キラー」※ネタバレあり

デイヴィッド・フィンチャー新作の「ザ・キラー」をNetflix公開前に劇場で観てきた。 youtu.be オープニングはいかにもファイトクラブという感じで始まるのだが、本編自体は比較的静かにゆっくり進む。特に最初のパリのシークエンスは、主人公の殺しのための…

「アステロイド・シティ」※ネタバレあり

ウェス・アンダーソン監督最新作、「アステロイド・シティ」をみてきた。 youtu.be 相変わらずポップな画面作りとなっており、メイキング映像によると、スペインの平野のようなところに、背景の岩山も含めてセットとして作っているらしい。そのポップな画面…

古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン

昨月、東京国立博物館で開催中の古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカンに行ってきた。 mexico2023.exhibit.jp 正直、古代メキシコに関する知識が、FGO由来のものしかなかったので、ひとまず岩波と中公の新書2冊で予習。今回は、古代メキシコ展であ…

映画監督 山崎貴の世界

松本市美術館で開催されている映画監督山崎貴の世界に行ってきた。 www.yamazakitakashi-exhibition.com 新宿の立体広告を模した展示からスタート。山崎監督が監督した作品のほぼすべての作品について、絵コンテから立体模型資料などの資料が展示されていた…

ガウディとサグラダ・ファミリア展

ガウディとサグラダ・ファミリア展に行ってきた。 gaudi2023-24.jp やはり建築系の展示は、どうしても写真と模型だけになるので難しさを感じた。あるいは、ガウディの描いた断面図や詳細図、設計方法の紹介など、もっと建築に知識があれば楽しめるのかもしれ…

「バービー」(ネタバレあり)

いろいろな方向で話題になっているバービーを観てきた。 youtu.be 予告の印象と違い、人間界でドタバタを繰り広げるというよりも(繰り広げはするのだが)、バービーランドでないがしろにされていたケン(現実の女性の立場に置かれている)が、現実の男性優…

ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会

森美術館で行われている「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」に行ってきた。 www.mori.art.museum 「国語」、「社会」、「哲学」、「算数」、「理科」、「音楽」、「体育」、「総合」のセクションにわかれて、そのセクションに関…

「君たちはどう生きるか」(ネタバレあり)

宮崎駿の「君たちはどう生きるか」を観てきた。 感想としては、コミック版の『風の谷のナウシカ』のラストに帰ってきたように感じた。眞人は理想とされる塔の世界(塔の中の世界が理想郷的世界とは感じにくかったが)ではなく戦争も血なまぐさいこともある現…

「ミッション インポッシブル/デッドレコニング part one」

シリーズ通して一応全部観ているのだが、正直3以降どれがどれだかわからなくなっているという中途半端な知識で新作「ミッション インポッシブル/デッドレコニング part one」を観てきた。 youtu.be 後編であるpart twoを観ないとなんとも言えないところでは…

ワンダーフェスティバル2023夏

はじめてワンダーフェスティバルを見に行ってきた。 ゴジラ関係のフィギュア見れたらいいな、ぐらいの感じだったのだが、新作ゴジラとともに山崎監督と写真が撮れたり(掲載写真はゴジラだけだが)、ふと横を見たら樋口監督がいたりと、テンションが上がるイベ…

ソール・ライターの原点 ニューヨークの色

コロナにかかって数日苦しむ&自宅待機でどこにも出かけられていなかった。久しぶりの外出は、Bunkamura ザ・ミュージアムがヒカリエで開催しているソール・ライター展である。見どころは初期のストリートスナップに加え、写真だけではなく絵画も公開してい…

「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」(ネタバレあり)

少し前に新作である「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」を観てきた。 youtu.be インディ・ジョーンズを演じるハリソン・フォードは映画公開時点で80歳だったらしい(そして先週81歳になっている)。アクション映画の主人公が、80歳を超えているという…

テート美術館展 光 — ターナー、印象派から現代へ

国立新美術館では、蔡國強の個展に加え、テート美術館展も開催されている。光をテーマにしており、ターナーといった古典絵画から、ゲルハルト・リヒターやバーネット・ニューマンといった現代美術までそろっている。 絵画にいかに光を表現するか、という展示…