さいたま国際芸術祭2023

さいたま国際芸術祭に行ってきた。

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今回は、メイン会場の旧市民会館おおみやと、別日に会期がより短かったノースギャラリーで実施された「Women’s Lives 女たちは生きている―病い、老い、死、そして再生」に行った。

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芸術祭全体としては、3年前の前回よりスケールダウンしている感じがして、メイン会場もあまり空間を全体的に使った展示がなかった(3年前は老朽化で使われなくなった、旧大宮区役所全体をだいたんに使った展示が多かった気がする。部屋全体を砂で敷き詰めた展示や、地下空間もすべて利用されていた)。あと、導線自体がないのはいいのだが、思いがけず通れない通路が多く、ダンジョンのように階段を上り降りしなければならないのも気になった。

おもしろいところとしては、廊下に無造作に置かれた掃除道具や靴などの日用品である。たまに、美術展で作品なのか落とし物なのかわからないものがあるが、今回も最初は冗談でこれは作品かどうか考えさせる作品だ、ということを言っていたら、実際に配置を考えるとどうも展示物だったようである。最近あるあるといえばあるあるの手法ではあるが、展示物なのか市民会館の備品かわからないものもあり、そこに市民会館の歴史や生活を考える契機があることは、単純に面白いと思った。