「アステロイド・シティ」※ネタバレあり

ウェス・アンダーソン監督最新作、「アステロイド・シティ」をみてきた。

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相変わらずポップな画面作りとなっており、メイキング映像によると、スペインの平野のようなところに、背景の岩山も含めてセットとして作っているらしい。そのポップな画面にこれも相変わらず大量の情報が流れてくる。特に、アステロイド・シティが舞台になっているシーンは、劇中劇であり、それがこの映画をより複雑にしている。しかし、本作はそれがうまく機能していて、観ている方としては、何が現実で(いやすべて虚構ではあるのだが)、何が演技なのか(いやすべて演技ではあるのだが)わからなくなってくるのである。現実と虚構を曖昧にし、こんな世界もありえるかも?と思わせるのが本作のパワーである。劇中の演劇教室で、「眠らなければ起きられない」というフレーズをみなで唱和するシーンがあるが、まさに観ているほうも「眠らなければ起きられない」のである。あとどうでもいいのだが、突然の北条時行に驚いた。