蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる

国立新美術館で開催中の「蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる」に行ってきた。蔡國強といえば、2008年の北京五輪開会式でその名前が広く人口に膾炙した印象があるが、本展では五輪を含む初期から直近の作品まで、時系列で追うことができる。

個人的には、特に初期の作品が興味深かった。火薬(とその爆発)をモチーフにした蔡の作品は、いわゆるアクションペインティングとは違った線の力強さや無骨さが垣間見える。時にその線は、水墨画のような流れを生み出すことも人を惹きつける力がある。火薬は暴力的な力でもあり、人を魅了する繊細さも兼ね揃えている。

通路に少し別構成の展示が広がるものの、基本的に展示室一室のみとなっている。そのため、空間の構成が難しいのではと思うのだが、一室であることが、むしろややカオスな空間として、爆発の持つエネルギーを象徴しているようでもあり楽しい。

8月21日まで